『イングロリアス・バスターズ』の元ネタ、『追想』(1975) Cinema Kingdom Blog

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映画、国内&海外ソフト、ホームシアター機器、旅行、写真、アニメ「あの花」を肴に綴る徒然雑記

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『イングロリアス・バスターズ』の元ネタ、『追想』(1975)

【ATTENTION】
今回も我ながら呆れるほどの長文に
なってしまいました。
続きをクリックする場合はそのおつもりで・・・。

今月初旬、ネットをウロウロしているうちに、
EnterJamの「町山智浩のアメリカ映画特電」
に辿り着き、氏が配信するMP3音声ファイルを
いくつかDLして聴いてみました。
そのバックナンバーの中にタランティーノの
『イングロリアス・バスターズ』について語った
ファイルがあったのですが、そこでバスターズの
クライマックスシーンの元ネタになっているという
1975年公開のフランス(仏独合作)映画『追想』
(主演:ロミー・シュナイダー、フィリップ・ノワレ、
監督:ロベール・アンリコ)の存在を知りました。

コラム/町山智浩のアメリカ映画特電 | EnterJam
バックナンバー第81回~第95回 町山智浩のアメリカ特電 | EnterJam
第87回 2009/09/24 up
『イングロリアス・バスターズ』とナチへの復讐ロマン『追想』
(mp4ファイル)

映画ファンが『追想』という邦題を聞きますと、
イングリッド・バーグマン、ユル・ブリンナー共演の
「Anastasia」(1956)が真っ先に思い浮かぶと思います。
主演のイングリット・バーグマンは、
この作品が公開される数年前に、
人妻でありながらイタリアの巨匠、
ロベルト・ロッセリーニ監督に心酔して
すべてを捨ててヨーロッパに遁走し、
一度はハリウッドから追放されていました。
しばらくの間、欧州で女優活動を続けたのち、
この作品でハリウッドに復帰して、ロシアの皇女
アナスタシアだと名乗る謎の女性を演じて
二度目のオスカーを獲得しました。
しかし、これから触れる『追憶』という映画は、
原題を「Le vieux fusil」(「古い銃」)と云う、
まったく別の作品です。

町山氏によると、日本ではヒッソリと公開され、
さほど話題にもならなかったらしいですが、
本国では大ヒットしてセザール賞の作品賞、
主演男優賞、音楽賞を受賞しているとの事です。

あらすじは以下のようなものです。
フランス人医師(フィリップ・ノワレ)は
故郷の村の礼拝堂で村人たち数十人が
殺されているのを発見し、驚愕する。
そして、村の崖の上にある生家の古城に
疎開させていた愛妻(ロミー・シュナイダー)と娘も
やはりドイツ兵たちによって無残に殺された事を知る。
SS将校が率いるその小隊は、古城に駐屯して
次の命令を待っている様子だった。
復讐の鬼と化した主人公は、
まず城に通じる橋を崩してドイツ兵たちを足止めし、
勝手知ったる古城の構造を利用しながら
奴等を一人、一人と殺して行くのだった・・・。

主人公のフィリップ・ノワレは、
ジュゼッペ・トルナトーレ監督のイタリア映画
『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)で
映写技師のオヤジさんを演じていた男優さんで、
その妻役のロミー・シュナイダーは、
ヴィスコンティの『ルードウッヒ 神々の黄昏』(1972)や、
一時は婚約までしていた仲だったアラン・ドロンと
共演した『暗殺者のメロディ』(1972) 、
遺作となった『サン・スーシの女』(1982)などで
知られる、当時かなり人気のあった女優さんです。

あらすじを聞いているうちに
どうしても観てみたくなったのですが、
検索してみましたら、この映画の国内盤は未発売で、
米国盤のDVDも廃盤らしく、現在でもDVDが入手可能
なのは、本国フランスとドイツだけのようでした。
そこで、フランスのアマゾンに飛んでみると、
なんと、数日後に公開35周年記念のニューマスター版
DVDが発売されるではありませんか!
「これはどう考えても呼ばれているだろ」とw、
速攻で仏アマゾンに予約を入れました。

ドイツやフランスのアマゾンは送料が高いので
一枚だけ頼むのも勿体ないと思い、日本語字幕が付く
「クレイジー・ハート」のBDも一緒に注文しました。

■仏盤



Le vieux fusil - Edition limitee : Livret inclus
 「追想」
(PAL DVD)
Crazy heart [Blu-ray]
 「クレイジー・ハート」
(日本語字幕付)

追想(1975) - goo 映画
映画「クレイジー・ハート」公式サイト

追想(1975)








実は、この「Le vieux fusil」のDVDを買ったのには
もうひとつの伏線がありました。

先月、WOWOWで放送されたものを録った、
スパイク・リー監督の『セントアンナの奇跡』(2008)
を観て感銘を受けていました。
この作品は、第二次世界大戦中に
欧州戦線に送られた黒人部隊の兵士たちを描いた
ミステリー仕立ての戦争映画なのですが、この中に
ナチス・ドイツがイタリアで実際に行った
虐殺事件を下敷きにしたと思われる、
以下のようなシーンが出て来ます。
小隊を率いて村を強襲したSS将校は、
パルチザン指導者の居場所を訊くために、
礼拝堂の前に村人全員を集めて、
銃で脅しながら尋問を始めます。
しかし、誰からも情報が得られないと
分かった途端、見せしめに、神父を含む
村民全員を皆殺しにしてしまうのです。

『追想』のあらすじを聴いて、
真っ先に浮かんで来たのが、『セントアンナの奇跡』の
この、村民虐殺シーンでした。
イタリアでは民間人800人が犠牲になった
「マルツァボットの虐殺」が有名だそうですが、
映画『セントアンナの奇跡』な中で殺された村民の数は
50~100人あまりだったでしょうか。
しかし、こうした規模の虐殺事件も実際に
あったはずです。

そんなこんなで
『セントアンナの奇跡』を観たばかりだった僕は
この『追想』もぜひ観てみたくなったのです。

ただ、イタリアが舞台の『セントアンナの奇跡』
とは違って、『追想』の舞台はフランスです。
実は、イタリアだけでなく、
これとまったく同じような虐殺事件が
ナチスドイツが支配するヨーロッパの各地域で
同時期にいくつも起きたのです。

『追想』の舞台となるフランスでは
オラドゥールの虐殺」と呼ばれる
集団虐殺が起りました。
連合国のノルマンディー上陸作戦の直後、
フランス・レジスタンス(FTP)の妨害工作に
悩まされていたダスライヒのSS第2機甲師団、
装甲擲弾兵連隊第1大隊長のSS少佐、
オットー・ディークマンは、120人の兵士を率いて
「レジスタンスの巣窟」との報告を受けた
オラドゥールの村人642人を礼拝堂広場に集めて
虐殺し、その後、村全体を徹底的に破壊しました。
フランスは、この廃墟と化したオラドゥールを
「原爆ドーム」のように今もそのままの姿で保存して
一般公開しているそうです。


いつものように前置きが異常に長くなりましたが
到着後、早速「Le vieux fusil」を観ました。(苦笑)

PAL信号がそのまま取り出せるDVDプレイヤー
「YAMAHA DVD-S1700(リージョンフリー)」と
PAL信号にも対応しているプロジェクター
「SONY VPL-VW60」の組み合わせでの視聴です。
プレイヤー側でNTSCに変換することも出来ますが、
走査線が多い分、すべてPALのままで処理したほうが
明らかに精細度が高い印象でした。
音声はフランス語5.1Ch DDのみで、
残念なことに、英語字幕も未収録でした。
しかし、中盤以降はアクション中心の復讐劇ですし、
事前にあらすじを聴いていたこともあって
それほど困りませんでした。

アスペクト比はヨーロッパ・ビスタですので、
16:9のスクリーンやTVに映しますと
左右にわずかに黒枠が出ます。
画質・音質は、なかなかのレストアぶりでした。
当時のフランス映画らしく、全体的にソフトな、
グレイン多めのフィルムライクな画調でしたが、
アップの場面などはDVDとしては充分な精細感を
感じることが出来ました。

特典映像は予告編程度でしたが、
外箱の他に、解説の小冊子が同梱されていました。
写真付でそこそこ記事も載っていたものの、
仏語などまったく分かりませんからお手上げですw。

町山智浩氏が指摘したように、この映画が
フランス国内で記録的な大ヒットになった要因は
こういった虐殺を行ったドイツ兵への復讐を
描いた展開にあるのでしょう。
あくまでもフィクションではありますが、
同胞を無残に殺したドイツ兵が死んでいく様を観て、
溜飲を下げた国民が多かったと思いますからね。
(ただ、復讐の果ての虚しさや復讐が内包する狂気も
 ちゃんと描いている作品ですが)

現代のアクション映画を見慣れている
若い世代の方々には、中盤までの展開と、
アクションシーンとアクションシーンの合間に
幸せだった頃の家族の追想シーンが入る構成
(邦題はここからでしょうね)が、ちょっと退屈かも
しれませんが、個人的にはなかなか面白かったです。
上映時間が1時間40分程度ということもあり、
最後まで飽きないで観られました。

なるほど、あのクライマックスの展開は、
明らかに『イングロリアス・バスターズ』の
クライマックスの元ネタでしたね。(笑)
しかし、それを知ってもタランティーノの
あのアレンジは見事としか云いようがありませんw。
また、久々にロミー・シュナイダーを見ましたが
さすがに綺麗で、今見ても魅力的ですねぇ~。

ただ、制作当時の時代性もあるのでしょうが、
この『追想』にはドイツ兵が村民を虐殺する
具体的なシーンはありませんでした。
妻と娘の死体を見て、主人公が二人の最後を
想像するシーンがあるだけです。
虐殺された村民は、礼拝堂の中の死体という
形でしか描かれてないのです。
まあ、その部分は、『セントアンナの奇跡』の
記憶が補ってくれましたが・・・。(苦笑)


ここまで読まれた方には
この『追想』を見てみたいとお想いの方も
いらっしゃるでしょう。
そんな方にグッドニュースです。
WOWOWが、この『追想』を
11/9(火)夜6:50からHV初放送するそうです。
僕もハイビジョン版、字幕付で再見したいので、
録画するつもりです。
因みに、11/12(金)の深夜0:35からは、
『イングロリアス・バスターズ』のオリジナル版
「地獄のバスターズ」も初放送(ただしSD放送)
されるそうです。
こちらも未見なので観てみたいです。


最後に、復讐を誓った主人公が手に取る武器が、
亡き父親が猪狩りに使っていた古い散弾銃なので
原題が「Le vieux fusil」(古い銃)ということ
らしいです。
まあ、日本人には分かりにくいダブル・ミーニング
があるのかもしれませんけどね。(苦笑)


クレイジー・ハート








こちらもすでに観終わったのですが、
長くなりましたので、とりあえず写真だけUPして
感想はまたの機会に、とお茶を濁しておきますw。

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[ 2010/10/24 13:04 ] DVD、BD、HD DVD | TB(0) | CM(0)
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