野村芳太郎監督を偲ぶ Cinema Kingdom Blog
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野村芳太郎監督を偲ぶ

『張込み』、『砂の器』、『鬼畜』などで知られる
野村芳太郎監督が、8日、肺炎のため東京都新宿区の病院で
死去されました。(享年85歳)
10年ほど前に脳溢血で倒れ、5年前からは寝たきりだった
とのことです。

野村芳太郎 作品一覧
日本映画監督協会 野村芳太郎監督、逝去
Google News 野村芳太郎監督 死去

今年の2月19日には食道がんのため、
岡本喜八監督も亡くなりました(享年81歳)が、
日本映画監督協会 岡本喜八監督死去=痛快な娯楽性が真骨頂
また一人、戦後の日本映画黄金期を支えた巨匠が
亡くなってしまいました。


野村芳太郎監督は、彼に師事した山田洋次監督と共に
小津安二郎監督亡き後の松竹を代表する巨匠でありました。
代表作は、なんといっても松本清張原作の「砂の器」
でありましょう。

野村芳太郎監督と松本清張氏とは
氏の著作物の映像化に関する業務を行う
株式会社霧プロダクション(「霧プロ」)
でコンビを組んだ仲でありました。
「張込み」、「ゼロの焦点」、「砂の器」、
「鬼畜」、「わるいやつら」、「疑惑」と
松本清張原作、野村芳太郎監督の一連の作品は
いずれも高い完成度を誇っていますが、
その中でも日本映画を代表する一本と言えるのが
1974年に公開された「砂の器」であります。

黒澤明と組んでいた脚本家、橋本忍と山田洋次監督が
脚本を担当したこの傑作は、丹波哲郎、加藤剛、緒形拳、
そして加藤嘉(!)の熱演と、スケールの大きさで
邦画ファンには忘れがたい作品となっております。
僕も初公開時の映画館を皮切りに、TV放送、ビデオ
LDなどを含め、少なくとも20回以上は観ているでしょう。


この「砂の器」は今年6月に「松竹110周年特別企画」として、
デジタルリマスター版が上映される予定で、
野村監督の全88作品中、60本でコンビを組んだカメラマン、
川又昴氏(78)が監修し、13日の完成を待つばかりだった
とのことです。残念ながらこのデジタルリマスター版は
追悼上映という形でお披露目されることになってしまいました。


松竹の巨匠、野村芳太郎監督と云えども、
斜陽の日本映画界にあっては
数多くのプログラム・ピクチャーの演出も
手掛けなければなりませんでした。
これは山田洋次監督についても云えますが、
松竹という会社は、作家性の高い作品を作りたかったら
安くて早いプログラム・ピクチャーを何本も作って稼げ、
という方針をとっていたようです。
60年代末から70年代始めにかけての「コント55号」
主演の作品群などがそれに当たります。
あの刑事映画の傑作「張込み」(1958年・脚本:橋本忍)
を監督した人が、10年後にはTVタレントや歌手を相手に
お笑い映画を撮っていた訳です。(苦笑)

しかし、「砂の器」以降の約10年間は、
ほぼ一年に一、二本の割合で、作家性の強い作品を
発表し続けました。
この間の名作としては1978年公開の「事件」、「鬼畜」
82年公開の「疑惑」などがあります。
特に初公開時に映画館で観た、緒形拳、岩下志麻主演の
『鬼畜』には、非常に衝撃を受けました。
幼児虐待や子殺しの報道が日常化してしまった現在に
もう一度見直されるべき傑作だと思います。


改めて、野村芳太郎監督のご冥福をお祈り致します。合掌…。





砂の器鬼畜張込み事件

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米国盤で発売されている野村芳太郎監督作品
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[ 2005/04/09 11:57 ] 映画 | TB(3) | CM(0)
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050408-00000097-mai-peo  野村芳太郎監督、死去。松竹蒲田の大監督野村芳亭の息子として生まれ、父と同じ映画監督の道を歩む。1957年に撮った、松本清張原作の「張込み」が高く評価され、その後も松本清張原作の映画を中心にヒット
東京・深川で起きた質屋殺しの共犯者を追って、二人の刑事が佐賀へ向かった。 男は昔の恋人のもとに必ず立ち寄るはずだ。そう睨んだ二人は彼女の家の前にある木賃宿で粘り強く張込みを続ける。 【張込み】 監督:野村芳太郎 1958年・松竹 原作:松本清張 脚色:橋本忍 .
[2005/04/10 15:43] 鏡の誘惑
故・野村芳太郎監督への追悼ログ…大変遅くなりましたっ!
[2005/04/27 02:48] Art Grey