ネタバレ注意! 『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』  Cinema Kingdom Blog

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映画、国内&海外ソフト、ホームシアター機器、旅行、写真、アニメ「あの花」を肴に綴る徒然雑記

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ネタバレ注意! 『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』

率爾(そつじ)ながら、怒りが収まらないので、
『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』後半の
変更プロットが、いかに馬鹿馬鹿しく、穴だらけであるか、
ネタバレ全開で検証してみたい。

【ネタバレあり。未見の方はご注意下さい】


細かいツッコミどころも満載なのだが、
それはひとまず置いておくとして、
オリジナル版からリメイク版になって変わった、
三つの大きな謎について、考えてみる。


まず、オリジナル版との最大の違いである、
「金百貫(オリジナル版は金二百貫)は、
秋月の民、百人がひとり一貫ずつ持って、
早川に運んだ」となっている点についてだ。

あの「秋月の民、百人」ってのは一体何者なのか?

早川城で雪姫を出迎えた民は、
町人姿や百姓姿、物売り姿や旅支度姿の武士など、
さまざまな格好をしていた。
(あの衣装の中には明らかに時代考証が
 間違っているものがあったような気が…)
しかし、密かに、秋月家再興の為の軍資金を運ぶ
という重要な使命を帯びている百人もの人間が、
武家以外の出身とは考えにくい。
おそらくその多くは変装で、秋月城陥落の際に
使命を帯びて落ち延びた、家臣やその妻子など
秋月家に仕える武家の人々なのだろう。

それはよいとして、で、こいつら百人は、
どうやって秋月から早川へ抜けられたのか???
早川と秋月の国境は、山名の軍勢が固めて
猫の子一匹(ネズミ一匹)通さなかったはずではないのか?

太平の江戸の世であっても、
国越えには今で言えばパスポートに当たる
通行手形などの証文が必要だった。
また正式な証文を携えていたとしても
男女共に、御禁制品を持っていないか、
当人が証文にある人物に間違いないか、
厳しい検査を受けるのが普通だった。
まして時は戦国時代、しかも戦さの最中だ。
秋月の落ち武者狩りをしている時に
何人と云えど、山名側が発行した証文なしに、
山名が管理する関所が越えられるはずがない。

雪姫一行は、真壁六郎太の機転によって
見事、この関所越えを果すのだが、
他の百人は、どんな機転で国境を越えたのか
非常に興味が湧く。
ジョン・スタージェス監督の傑作、あの「大脱走」だって、
あれだけ脱走して、成功したのはたったの三人だけだったのだw。
雪姫一行を追うより、この百人を追ったほうが
百倍面白い映画になっただろう。(爆)

しかも、百歩譲って、仮に全員の国越えが叶い、
金百貫が無事、早川に届いたとしても
肝心の「雪姫」が無事に到着しなければ、
秋月再興は成らぬのである。

秋月の紋章が入った金の延べ棒を一貫ずつ持った
秋月の落人たちは簡単に(服に汚れすらない)
早川領内まで辿り着き、手厚く城に匿(かくま)われているのに、
同じ頃、秋月の血を継ぐ最後の姫である「雪姫」は、
真壁六郎太という、たった一人の供を頼りに、
数千、数万の山名兵の間を必死に敵中突破している…。

こんな馬鹿げた作戦を立てた國村隼演じた家臣を
「さすがは秋月いちの知将だ」とは片腹痛い。
脚本家、中嶋かずきはこんなアイデアを
本気で自画自賛してみせているのである。
まったく、呆れ果てるばかりだ。


それに城門から出て来て、雪姫を出迎える
あいつ等の態度は一体なんなんだ???

軽く会釈する程度のフランクさで出迎え、
姫の顔を正面から見ながら、みんなニコニコ笑ってやがる。
あれが死線を彷徨った主君を迎える態度か?!

そもそも、同盟関係にあるとは云え、
素性もよく分からない秋月の落人たち百人を
城内に招き入れて暮らさせている、
早川家も早川家だ。
あの分では、城内は山名の間者だらけだろう。
普通に考えれば、そんなバカなことが
あるワケはないではないか。


もうひとつ分からないのが、
金百貫だと思っていたのは銅に金箔を施した偽物
だったという設定である。

では、物語の冒頭、滝壺近くの川原で
金堀り師の武蔵と木こりの新八が拾った
ふたつの金の延べ棒も実は銅だったというのか???
あのシーンで武蔵は、「金だぁ!本物の金だぁ~!」
と叫ぶが、金を採掘する金堀り師でありながら
それが金無垢なのか、金箔を貼った銅なのかの
見分けも付かないのか???
それとも落ちていたのは、たまたま本物で、
その後、偽の金百貫と入れ換えたってのか???

そもそもあの偽の金の延べ棒百貫は、
何の目的で作られ、お城陥落という一大事に
なぜ、わざわざ隠し砦にまで運ばれたのか?
この辺り、まったくの謎、いや、意味不明である。

おそらく、脚本家、中嶋かずきに聞けば、
わざわざ薪に偽装した偽の金百貫は、
秋月の民に運ばせる本物の金百貫の「囮(おとり)」
とするために設定した、と答えるのだろう。
それならそれでもいいが、
最も重要な雪姫をその「囮」と一緒にしてどうする!
なぜ、姫自らが、一番危険な囮役になる必要があるのだ?!
馬鹿馬鹿しいにも程がある。


最後に、
ラストの山名の隠し砦である。

あの建設中の城は、早川攻略の要とする目的で
建てられていたようだが、
武蔵と山の民が提案するまで、なんと
井戸がなかったのだそうだ。(呆)
城を建てる場所に飲料水が出るかどうかは
すべてを左右する一大事だろうに。
城に篭るにも城から攻めるにも
水は絶対に必要なのだから。

しかも武蔵と山の民が井戸を掘り出したら
たった数十分から数時間であれだけの縦穴を掘りあげ、
しかも目的通り、濃い瘴気まで出してみせるのだ。

山名の隠し砦から早川領に抜けられる
秘密の抜け穴に通じる巨大な縦穴を掘った時には
水も出なければ、瘴気のショウの字も出なかったのに
武蔵は神か! 奇跡を起こせる魔術師か!

大体、そもそも、木こりの新八(宮川大輔)は、
どうやって「早川領に抜けられる秘密の抜け穴」の存在を
知ることが出来たのだ???


逃げ出した後の状況だって、不可解な点が多い。
山名と早川は敵対関係にありながら、
山名から早川に抜ける峠(国境)には
山名の関所もなければ、早川の関所もなく、
睨み合う両軍勢どころか、ひとりの兵の姿もない、
…そんなことがあるかぁ~!


オリジナル版では、
捕らえられた雪姫一行は、山名の関所に連行される。
早川との国境近くにある為、多くの軍兵が詰め、
砦と化した関所である。
山名の豪傑、藤田進演じる田所兵衛(リメイク版の鷹山刑部)は、
この関所で初めて逢った雪姫の人柄に打たれ、
山名を見限り、姫一行を早川に逃がす決心をする。
これが有名な名セリフ、「裏切り御免!」に繋がるのだが、
関所をあとに、馬を駆って国境を越えた一行の前には
放免となって先に国境を越えた百姓コンビ、太平と又七がいた。
その太平と又七の前に、早川の騎馬武者たちが現われて、
周りを取り囲む。つまり、早川の軍勢も国境を固めていた
という訳だ。戦国時代の国境なら、どう考えても
こちらのほうが正解だろう。


「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」の大団円は
子供だましと、ご都合主義の連続である。
ただ、この作品にも良いところはある。
そして、その良い部分のほとんどは、
オリジナル版が元になっている部分なのである。


『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』の感想
ネタバレ注意! 『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』

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[ 2008/05/22 09:57 ] 映画 | TB(0) | CM(3)
おっしゃる通り!
ヒドいヒドい。
あんな脚本を、書いた方も書かせた方も認めた方も、それを演出でもう少しでもマシにしようとしない方も、全員ダメ。
つっこむのも嫌になるのに、的確に論理的にされる会頭さまは偉いですよ…
[ 2008/05/23 09:36 ] [ 編集 ]
りょうさん、コメントをどうも。

僕は黒澤映画を愛する者として
なぜ、TVドラマ版の「生きる」や「天国と地獄」や、
映画版の「椿三十郎」や今回の「隠し砦…」のような
オリジナル版を冒涜するようなリメイクばかりが作られるのか
悔しくてならないのです。
素晴らしいオリジナル版という手本がありながら
それと匹敵、あるいは凌駕するようなカラー・リメイク版が
作られない、この状況にはうんざりしています。

昔に比べて、いいスタッフや俳優が
いないからだとは、思いたくありません。
技術面での進歩はありますし、今でも
才能のある監督や俳優はたくさん居られると思います。

それだけに、なんでまた、よりによって
こんな監督や俳優がリメイクするんだと
尚更、慙愧に堪えないのです。

こういったリメイク作を観て
若い映画ファンに黒澤作品を観たような気に
なってもらっては困ります。
また、こんなご都合主義だらけのクソ映画を観て、
簡単に「面白かった」なんて言ってもらっても困るのです。
観客のレベルが日本映画のレベルになります。
日本映画の明日を考えれば、駄作には酷評を持って
応えなくてはならないと思います。
少なくとも、脚色を担当した中嶋かずきには、
二度と映画には近づくな!と云いたいです。
[ 2008/05/24 05:32 ] [ 編集 ]
確かにご都合主義なところもありますが、それを勢いで見せてしまう迫力は高く評価しても良いと思う。
変な小細工をするより、パワーでねじ伏せるこの映画が私は好きです。
[ 2008/05/30 21:47 ] [ 編集 ]
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