「Atonement(つぐない)」の感想(ネタバレ)と今年の桜 Cinema Kingdom Blog
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映画、国内&海外ソフト、ホームシアター機器、旅行、写真、アニメ「あの花」を肴に綴る徒然雑記

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「Atonement(つぐない)」の感想(ネタバレ)と今年の桜

Dervaさんのこちらの記事に触発されて、
HD DVDで観た「Atonement(つぐない)」の感想を。

あまりDervaさんの好みではなかったようですが、
僕はこの映画、かなり気に入りました。

以下、ネタバレがあります。ご注意を。

Atonement_HD_DVD

英国盤HD DVD「Atonement(つぐない)」
(日本語音声・日本語字幕収録)

★★★★★

ちょっとヒネリを利かせた作品なので
星五つは褒めすぎかもしれません。
しかし、個人的には、
兵士達が帰国の船を待つ海岸の
長まわしシーンに心底度肝を抜かれ、
あれだけで満点をあげたくなりましたw。

長いこと映画を観ていますが、あれだけ見事で、
お金もかけた、壮大なスケールの長まわしは、
ついぞ見た記憶がありません。
脚本、セット、美術、衣装、俳優、撮影、演出、
映像を構成する全ての要素が綿密に計算され、
ほとんど「完璧」とも云える効果を挙げています。

感心したのは、セリフもない、その他大勢の
エキストラたちの演技が見事なことです!
さすがは演劇の本場、イギリスの俳優達です。

映像に映る、大勢の兵士たちの表情や動作から
さまざまな事情や感情が感じ取れます。
否応なく、こちらの想像力を刺激する点で、
僕が真っ先に連想したのは、安野 光雅氏の
文字のない絵本「旅の絵本」シリーズでした。
(例えば、「中部ヨーロッパ編」)

あのシークエンスだけでも「映画史に残る作品」
と呼んでよいのではないでしょうか。


「ヒネリを利かせた作品」と書きましたが、
終盤、物語は唐突に二重構造になり、
それまでの物語は、ある著名な女流作家の
半自伝小説の中身であったことが
明かされます。
予想外の展開なので驚きました。

こんな展開は、のるかそるかの大勝負で、
普通なら、映画では絶対にやってはいけない
禁じ手です。
せっかく感情移入している観客の気持ちが
一挙に冷めてしまいますからね。
(原作は未読なので、これが脚色なのかは不明)
これに乗れるか、乗れないかで
この映画に対する評価は大きく分かれるでしょう。

事実は往々にして無慈悲なものです。
小説の終盤は作者の脚色であり、
実在の人物であった物語の主人公達は、
悲劇的な結末を迎えたことが
語られて行きます。

しかし、だからこそ、女流作家(妹)は、
筆を折る覚悟で書いたその小説の中でだけは、
自分がこの世で最も愛し、取り返しの付かない
思い込みで、深く傷付けてしまった2人、
姉と、その恋人で、自分の初恋の相手でもある男を
なんとしてでも添い遂げさせてあげたい、
と考えました。
それが、たった1人残された作家に出来る
せめてもの「償い」だったからです。

途中まで「つぐない」というタイトルは、
自分のせいで、姉の恋人を刑務所から戦地へと
追いやった少女が、成長後、傷痍軍人病院の
看護婦になって、彼と同じ立場の兵士たちの
世話を焼く、その行為自体を指しているのだろう
と思っていました。
しかし、それだけではなく、
実際には果せなかった、三人の未来を紡ぐ、
その執筆行為自体が、より大きな「つぐない」
だったという訳です。


幸福感が漂うラストシーンは、同時に、
作者である女流小説家の贖罪の祈りと
救済への切望に満ちています。
冷酷な過去が虚構に拠って浄化されれば
残された者(作家)には、いくばくかの
安堵感と生きる勇気が与えられるのです。
そして、観客にもそれをもたらす作品であれば
それは「傑作」と呼ぶに相応しいでしょう。



さて、話題はガラッと変わりますが、
街の桜が、九分咲きか、ほぼ満開になりました。
今夜辺りから天気が下り坂との予報でしたので
(すでに雨が降り始めています)
盛りを過ぎてしまう前にと、今朝早く、
何枚か写真を撮って来ました。
(夕方の現在は、本当に満開となっているでしょう)







やはり桜はいいですねぇ~♪
陽気に誘われて、旅にでも出たくなります。

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[ 2008/03/30 17:44 ] DVD、BD、HD DVD | TB(0) | CM(1)
う~ん、凄いなぁ岩窟王さん。
私が暗に思っていたところがビシッっと指摘されているようでした。色々とコメントを考えるのですが、表現出来ないんですよね。成長しないなぁ…。

>兵士達が帰国の船を待つ海岸の長まわしシーン
確かにこのシーンは凄かったです。圧巻!素晴らしいと思いました。是非、未見の方は観て欲しいと思いますね。

でも…やっぱり「つぐない」と捉えることが出来なかったんです、私。自叙伝のくだりはガックリしましたし…「のるかそるか」でそっちゃいましたね。。。

嫌いなジャンルの映画ではないはずなのですが…結局最後まで乗れませんでした。
[ 2008/03/31 13:07 ] [ 編集 ]
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