黒澤明作品のDVDに<普及版> Cinema Kingdom Blog
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映画、国内&海外ソフト、ホームシアター機器、旅行、写真、アニメ「あの花」を肴に綴る徒然雑記

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黒澤明作品のDVDに<普及版>

森田芳光監督、織田裕二主演の
リメイク版『椿三十郎』の公開(12月)を記念して、
東宝から黒澤明監督作品の普及版DVDがリリースされます。

発売日は、「七人の侍(2枚組)」、「用心棒」、
「椿三十郎」などの第一弾が、11月9日、
「生きる」、「野良犬」などの第二弾が12月7日
となっております。

黒澤明監督作品 DVD普及版
映画「椿三十郎」(リメイク版)

今度発売される<普及版>は、
バカ高い「黒澤明 : THE MASTERWORKS」シリーズから
「創ると云う事は素晴らしい」などの主要な特典映像を
除いた仕様(特典は「予告編」程度)なのが特徴で、
<普及版>発売後も、クソ高い「THE MASTERWORKS」
シリーズはそのまま併売されるそうです。
同じ仕様ではないので、「廉価版」とは呼べず、
「普及版」となったのでしょう。
そもそも、一枚3,990円もするDVDを廉価版とは
とても呼べないと思いますが(苦笑)、ともかく、
黒澤作品が以前よりも安く買えることは歓迎したいと思います。
ただ、半世紀前の白黒映画のDVDに二種類の価格設定とは、
いかにもヤ●ズブッタ◎リの東宝らしいやり方です。(怒)


森田・織田版を予告編で観ましたが、各場面のアングルが
オリジナルとほとんど同じではないですか。(呆)
まあ、同じ脚本で撮っているのですから
仕方のない面、変えようがない面もあるでしょうが、
なんだかなぁ~…。

それよりなにより、
織田裕二が三十郎ってのは、
やはりどうにも耐え難く、違和感アリアリだぁ!
三船敏郎の三十郎のクセ(アゴをスリスリ)をパクッてはいるが
どう考えても若侍のひとりの方がお似合いだろう。
それに、三十朗が軽々しく、ニヤニヤするんじゃねぇ!
三十郎は、「鞘に納まっていない抜き身(の刀)みたい」に
ギラギラした殺気を放っている男のはずなのにぃ~!
あれじゃまるで、素浪人のコスプレをした青島俊作だぁ!


※追記※
興奮と憤りのあまり、言葉遣いが乱暴になりました。(汗)
ご気分を害したかたがいらっしゃいましたら、お詫び致します。

それから、織田裕二ファンの皆さん、
僕は別に織田さんが嫌いなわけではありません。
例のTVドラマシリーズにその映画版、それに
「ホワイト・アウト」他の主演作もちゃんと見たり
買ったりしています。(『T.R.Y.』は未見ですがw)
ただ、ひとりの俳優が演じられる役には限界があり、
向き不向きがあるということです。
三十郎役に織田裕二というのは、
邦画史上最大級のミスキャストだと確信しています。
たぶん僕は、30回以上は観ているオリジナルへの愛が
少し強すぎるのでしょうw。


※またまた追記※
コメントのりょうさん。
(僕の知ってる、あのりょうさんでしょうか?
 だとしたら、ご無沙汰しちゃってすみません。汗)

> いやいや。世界中がミスキャストだと言うでしょう。

そうですよねぇ。
「椿三十郎」(Sanjuro)は、海外の黒澤ファン、
映画好きにも非常に人気のある作品ですからねぇ…。
Yojimbo & Sanjuro - Two Films By Akira Kurosawa -
 Criterion Collection
(「用心棒」+「椿三十郎」の米国版DVD)

まだまだ語り足りません。もう少し追記させて下さいw。


三十郎役に織田裕二を推薦したのは
森田芳光監督とのことですが、
それでいて室戸半兵衛役にはトヨエツ
(豊川悦司)を当てています。
いかに森田監督がこの脚本を理解していないかが
如実に分かるキャスティングです。

三十郎(三船敏郎)と室戸半兵衛(仲代達矢)は
似たもの同士でなければいけません。
背格好や口調、ギラギラとした雰囲気が似ていて、
剣の腕前、策士としての知力、そういったものが
ほぼ互角であることが絶対条件です。
映画のラストで、三十郎は半兵衛を評して
「こいつは俺だぁ!」と心情を吐露しています。
半兵衛も三十郎に自分と同じニオイを感じて、
仕官の口は紹介してやるから、いずれはふたりで
この藩を牛耳ろう、と持ちかけています。
お互いにそう思わせる、何かが必要なのです。

半兵衛には、己の能力に対する絶対的な自信から来る
「どんな手段を用いても成り上がってみせる」という
出世欲というか、高名心、野心がありました。
彼の言動のすべては、このモチベーションからです。
そんな意味で、彼もまた「ギラギラしすぎて」いる
「鞘に入っていない抜き身みたい」な男です。
一方の三十郎は、体制には絶対組しないアウトローであり
根っからのニヒリストでありながら、人一倍、義侠心に篤く、
金や名声には無欲な男です。
この一見、まったく似ていない二人は、
実は同じコインの裏表で、過去の境遇の違いによって
志向するベクトルの方向が異なってしまっただけです。
三十郎と半兵衛は、共に優れた天分に恵まれながらも
結局「良い刀」にはなりえなかった、
紙一重の似たもの同士なのです。

『椿三十郎』は、端的に云えば、
この似たもの同士による攻防戦を描いた作品です。
ただし、直接、サシで戦うワケではありません。
三十郎は若侍たちを、半兵衛は上司の菊井たちを
それぞれ手駒として操りながら戦うのです。
チェスや将棋のように、理詰めで相手を追い込む、
『椿三十郎』の面白さはこの攻防の駆け引きにあります。
そして、知力による攻防戦の勝敗が決したその後、
初めて、三十郎と半兵衛は命を賭けた真剣勝負を行います。


室戸半兵衛役にトヨエツというのには、ほとんど異議はありません。
しかし、では、豊川悦司と織田裕二に何か共通点を感じますか???
少なくとも僕には何も思い当たりません。


三十郎の氏素性は一切不明ですし、
この男にどんな過去があったかも謎ですが、
藩の役職に詳しく、凄腕の剣術を身に着けている
ことなどから、少なくとも武家の出(侍)であることは
間違いありません。
おそらく、(訛りがないことから)
関東周辺の藩の元藩士で、剣術の腕前では知られていたものの
家の格の低さから、それなりの役職に甘んじざるを得なかった
「下級武士」かなにかだったのでは想像します。
というのも『用心棒』での三十郎の言動を聞いていると、
貧乏の辛さ、みじめさを身を持って知っている風だからです。
若い頃の三十郎は、まさに室戸半兵衛のように
野心に燃えた男だったのかもしれません。

ただ、その後、何かが起きて、彼は激変してしまった。
役職も妻子も故郷も全て捨てるか、なくすかして、
食うや食わずで放浪の旅をする、
野良犬のような素浪人に自ら落ちぶれてしまった。

いつもは無類の酒好きで、冗談も好きな男だが、
いざ何か起これば、一気に眼光鋭くなり、
ギラギラとした殺気を放ってまわりを圧倒してしまう。
また、剣の腕前だけでなく、頭の回転もすこぶる優秀で
まさに常人離れした、スーパーマンでもある。
ただ、最大の欠点は「口の悪さ」で、
辛辣かつ、皮肉が過ぎることで、誤解を受けやすく、
そのことが原因で窮地に陥ったことも一度や二度ではない。
それに、食うにも困る浪人でありながら、
今回のように、腕を見込まれ、仕官の口を用意されても
「窮屈なお城勤めなんぞ、まっぴら」と逃げ出してしまう…
三十郎というのはそんなキャラクターなのです。
そんな三十郎役に、織田裕二って、
普通では有り得ない配役でしょぉ~?


「黒澤監督の娯楽時代劇をカラーで観れたら」
というのは、多くのファンの願望だったと思います。
ですから、今回のリメイク企画には期待も大きいのです。
しかも、脚本は「黒澤版のまま」という、
ある種、理想的なカタチなのですからね。
ですから尚更、黒澤ファンであればあるほど、
今回のキャスティングには不満タラタラなのです。
(『用心棒』のリメイク化も既に決定済)

三十郎役には、世界市場でも有利な「渡辺謙」とか、
そのクラスの、時代劇の経験も豊富な、
大人の俳優に演じてもらいたかったですねぇ…。

だいたい、織田裕二が「名前でお客を呼べる俳優」
だったのは、もう過去の話ではないですか???
黒澤さんだって、お客を呼ぶため、主な若侍役に
当時、人気絶頂だった加山雄三を始めとする
東宝「若大将」シリーズの主要キャストを当てています。
森田監督や角川春樹プロデューサーも
大ヒットを狙いたかったら、主役を織田裕二にするより、
若侍たち全員をジャニーズ事務所から連れて来れば
良かったのですw。
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[ 2007/09/03 11:15 ] DVD、BD、HD DVD | TB(1) | CM(2)
いやいや。
世界中がミスキャストだと言うでしょう。
[ 2007/09/05 01:08 ] [ 編集 ]
はい。
”あの” りょうです(笑)。
[ 2007/09/09 02:32 ] [ 編集 ]
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 黒澤明のリメイクブームみたいで、「椿三十郎」が織田裕二主演でリメイクされて来週公開とのことだそうですね。  昨夜のスマステでも織田裕二の特集やっていましたが、ちょっと前にNHKでやってたメイキングはなかなか見ごたえがありました。見ごたえってメイキング...
[2007/11/25 09:14] 楽しまずんば是如何