「恋愛準決勝戦」の"壁歩き" Cinema Kingdom Blog
fc2ブログ

「恋愛準決勝戦」の"壁歩き" Cinema Kingdom Blog

映画、国内&海外ソフト、ホームシアター機器、旅行、写真、アニメ「あの花」を肴に綴る徒然雑記

2024 02123456789101112131415161718192021222324252627282930312024 04
HOME > 王国伝言板ログ > 「恋愛準決勝戦」の"壁歩き"

「恋愛準決勝戦」の"壁歩き"

2007年2月 BBS閉鎖に伴い転載

「恋愛準決勝戦」の"壁歩き" 2002/08/16 20:40

「恋愛準決勝戦」(1951)
 ROYAL WEDDING

監督:スタンリー・ドーネン
原作・脚本・作詞:アラン・J・ラーナー
出演:フレッド・アステア、ジェーン・パウエル、
   ピーター・ローフォード、サラ・チャーチル
(サラ・チャーチルはチャーチル元英国首相の実娘)


「恋愛準決勝戦」は、生憎ビデオもDVDも所有しておらず
遥か大昔にTV放送か何かで見ただけで記憶もかなり曖昧です。
それでも「恋愛準決勝戦」の話題が出ると思い出すのが
アステアがホテルの部屋を"壁歩き"しながら踊る有名なシーンです。
この作品では「ハート・オブ・ウーマン」(2000)で
メル・ギブソンが模倣していた、
帽子かけを相手にアステアが一人で踊るシーンも有名ですが、
受けるインパクトの大きさとなると、断然、"壁歩き"の方でしょう。

この場面はラージ・スケール・メカニカルという
大掛かりな特殊技術の一種を駆使して撮影されました。
この作品のこの場面のシステムを考案したのは
ウォーレン・ニューカムという人物です。

この特殊撮影のカラクリは実にシンプルで、
回転しているのは部屋のセットとそこに取り付けられたカメラの方で
その回転に合わせてアステアは壁を移動しながら踊っている訳です。


この特殊技術を応用させた最も有名な作品が、
1968年にキューブリックが発表した「2001年宇宙の旅」です。
舞台が2001年になって以降の
月連絡船エアリーズ号のスチュワーデスが
コックピットに入るシーンで一回転する場面や
ディスカバリー号内部のボーマン船長とフランクが登場する
いくつかの印象的なシーンで、このテクニックが使われています。

また、このテクニックは、
1982年にスピルバーグが原作と製作を担当し、
トビー・フーパーが監督した「ポルターガイスト」の中でも、
もっと「恋愛準決勝戦」の"壁歩き"に近い形で使われています。
フリーリング家の末娘キャロル・アン(今は亡きヘザー・オルーク)が
ポルターガイストによって異界に連れ去られる予兆として
ベッドルームで読書をしていた母親が何者かによって
壁や天井を引きずりまわされる、という場面でです。

ROYAL WEDDING
2001
Poltergeist


その後、デビッド・クローネンバーグ監督の「ザ・フライ」 (1986)
でジェフ・ゴールドブラム演じる若き天才科学者ブランドルが
広い自宅の書斎を這いまわる場面でもこのテクニックが使われました。
しかし、使い古されて、観客が受けるインパクトが薄れて来た為か、
最近はあまりこういった場面を持った作品の記憶はありません。

なんせ、ただでさえお金のかかる大掛かりなセットを
回転と重力に耐えられるように堅固かつ軽量に作らねばならず、
通常のセット作りに比べ、かなりの製作予算が掛かりますからねぇ。

現在、特撮といえばなんでもCGですが、
こういった超アナログな特撮というのも捨て難い味があります。
また、何かの映画で見せてもらいたいものです。


【2003/11/09、転載にあたって追記】

その後、「クィーン・オブ・バンパイア」(2002)
監督:マイケル・ライマー/出演:スチュアート・タウンゼント、
マーガリート・モロー、アリーヤ
で、久々に大掛かりな"壁歩き"を見ました。

アン・ライス原作で『インタビュー・ウイズ・ヴァンパイア』の
後日談的作品ですが、映画のデキは凡作でした。(苦笑)

THE FLY
Queen Of The Damned

関連記事
スポンサーサイト



[ 2007/02/22 12:37 ] 王国伝言板ログ | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する