主人公の不在を巡る青春映画『桐島、部活やめるってよ』 Cinema Kingdom Blog

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映画、国内&海外ソフト、ホームシアター機器、旅行、写真、アニメ「あの花」を肴に綴る徒然雑記

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主人公の不在を巡る青春映画『桐島、部活やめるってよ』

桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]


桐島、部活やめるってよ (本編BD+特典DVD 2枚組) [Blu-ray]
映画『桐島、部活やめるってよ』公式サイト
桐島、部活やめるってよ - Wikipedia





先の「第36回 日本アカデミー賞」で最優秀作品賞、最優秀監督賞(吉田大八)、
最優秀編集賞(日下部元孝)を受賞するなど、国内の主な映画賞を総なめにした
「桐島、部活やめるってよ」が先月ソフト化されました。
原作は、今年、史上最年少の直木賞作家となった朝井リョウが
早稲田大学在学中に発表したデビュー作(第22回小説すばる新人賞受賞)です。



小説版は未読なのですが、
原作は登場人物名を各章のタイトルにしたオムニバス形式だったそうです。
ただ、映画のほうは、単純なオムニバス構成ではなく、
金曜から火曜までの5日間に起こった出来事を最初の金曜と最後の火曜日のみ
同じ時間軸を何度か反復しながら視点を変えて描いてゆく構成になっていました。
これはクエンティン・タランティーノがデビュー作「レザボア・ドッグス」
で採用した構成に影響を受けているのではないかと想像します。
オムニバスの群像小説の脚色の手法としては大成功だったと思います。

BD的には映像・音声共に不満はなく、封入特典の「解説ブックレット」と
オーディオコメンタリーや特典映像が充実していて良かったです。
(特典ディスクがDVDなのと、ブックレットの文字が極小だったのは残念でしたがw)

本作を一言で表すと「青春群像劇」ということになると思いますが、
この作品が今までの高校生ものと違って特異で画期的なのは、
学校内の普段なら交わることがないヒエラルキーに属する生徒達を
並行的に描いている点だと思います。
中高生の頃というのは、学校生活が進むにつれて、
運動や学業の成績、ルックス、所属するグループや部活、趣味などによって、
生徒間に、暗黙のうちに自然とヒエラルキーが形成されて行くものです。
しかし、既存の青春映画の多くでは、主人公に絡んで登場する生徒達は、
主人公と同じヒエラルキーに属する者が中心で、そういう意味では、
限定された世界観の中で進行してゆく物語がほとんどでした。

「桐島、部活やめるってよ」では、成績優秀で
所属するバレー部でもエースでキャプテンな上に学園一の美女と付き合っているなど、
本来なら青春映画の主人公として描かれるであろう「桐島」が劇中には一切登場しません。
物語は、桐島が突然部活をやめて誰も連絡が取れなくなった金曜日から始まり、
その後も友人達やチームメイト、桐島の彼女たちの会話の中でしか語られないのです。
また、それと平行して、桐島の友人達やチームメイト、彼女らのクラスメイトではあるものの、
桐島とは直接接点がない映画部や吹奏楽部の部長たちの恋模様も描かれて行きます。
そういった普段はほとんど交流がない、異なる階層に属する人物たちが
本作の終盤では桐島の不在を媒介にして校舎の屋上に結集し衝突することになります。

いままで日本映画で描かれて来た青春映画の主人公というのは、
ざっと以下の3パターンに分けられると思います。
1.運動か学業が優秀な、学園のトップ集団に位置する人気イケメンキャラ
2.これといって取り柄がない平凡なキャラ
3.鬱屈を抱えた底辺層に位置する悩める(あるいは怒れる)不良キャラ
いずれの主人公パターンも展開としては恋愛要素が軸になることが多いですが、
具体的な作品名を上げるとすればこんな感じでしょうか。
1、典型的なのは往年の「若大将」シリーズ(彼は大学生ですがw)。
2、青春映画に一番多い主題だと思いますが、凡庸なキャラが、
恋人や親友、特定のスポーツや音楽など、夢中になれることを見付け、
人間として成長してゆく様を描くパターンです。具体的には、大林宣彦の作品群や、
「がんばっていきまっしょい」、「ウォーターボーイズ」、「スウィングガールズ」など。
3、一言で云えばヤンキー映画(「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズ、
「ガキ帝国」、「パッチギ!」など)や、往年のATG(日本アート・シアター・ギルド)
で作られた青春映画(「青春の殺人者」、「サード」など)など。
ところが「桐島、部活やめるってよ」は、この三つのパターンのどれにも該当しません。
強いて云えば、2の変形と云えるかもしれませんが、こう云う構成の青春映画は
世界的に見ても非常に希だと思います。その点、新鮮でした。


個人的に一番印象的だったシーンは、
ご多分に漏れずw、かすみ(橋本愛)のミサンガのシーンだったのですが、
特典によるとあの場面の演出はカメラマンの近藤龍人さんのアイデアだったそうです。
近藤さんは山下敦弘監督の大傑作『天然コケッコー』のカメラマンだった方です。
『天然コケッコー』の時とは違い、今作はデジタル撮影(映画部の劇中劇のみフィルム撮影)
でしたが、まだまだお若いのに今回も見事な仕事ぶりでした。
(余談ですが、本作の鑑賞後、『天然コケッコー』のBDを注文してしまいましたw)
僕が橋本愛をはじめて観たのは中島哲也監督の『告白』だったと思いますが、
女優に厳しい中島監督にシゴかれた成果なのかw、本作の橋本愛は輝いて見えました。
撮影当時は15歳くらいだったようですが、将来が楽しみな女優さんですね。
また、吹奏楽部の部長を演じていたのが、ロブ・マーシャル監督の「SAYURI」で
主演のチャン・ツィイーの幼少期を演じた大後寿々花だと見終わった後に気付いて
ちょっとビックリしましたw。
また、演技の上手さでは沙奈を演じた松岡茉優が一番印象に残りました。

ボケ~っと観ていますと、起承転結的なストーリーラインが希薄なので、
ラストシーンで「あれ?これで終わり?」という感じもするのですが(苦笑)、
観ている間は非常に引き込まれてしまう内容なので、また観たくなりますし、
再見すると初見とはまた違う部分でジワジワ来る作品なんですよねぇw。
どなたが観ても、学生だった頃の自分や友人にカブるキャラが発見できて、
身につまされたり、応援したくなったり、観客それぞれが違うキャラに感情移入して、
泣いたり笑ったり出来る作品に仕上がっていると思います。
青春映画の体裁とは云え、どちらかと云えば大人向けの映画なので、
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、映像や行間から何かを読み取る感受性を
いまだお持ちの方なら、楽しめる映画なのでないかと思いますw。

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商品の説明
内容紹介

観客の熱が生んだ、奇跡のロングラン!
平成生まれ初の直木賞作家・朝井リョウのデビュー小説を映画化。
国内映画賞上位を独占した、誰もが語りたくなる問題作!
全員「桐島」に振り回される103分に加え、180分を超す濃厚な特典映像が満載!
“桐島"の表と裏を全て詰め込んだ充実アイテム!

「桐島、部活やめるってよ」
2013年2月15日DVD & Blu-ray発売

[商品概要]
【Blu-ray】2枚組(本編BD+特典DVD)
VPXT-71240(POS:8) \5,040 (税込)
本編103分+特典映像/片面2層/リニアPCM&ドルビーTrueHD5.1ch/16:9シネスコサイズ<1080p High Definition>(本編のみ)/日本語字幕(本編のみ)
★音声特典、映像特典、封入特典はDVD版と同内容

[キャスト・スタッフ]
神木隆之介、橋本愛、東出昌大、清水くるみ、山本美月、松岡茉優、落合モトキ、浅香航大
前野朋哉、高橋周平、鈴木伸之、榎本功、藤井武美、岩井秀人、奥村知史、太賀、大後寿々花
監督:吉田大八
原作:「桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ(集英社文庫刊)
脚本:喜安浩平、吉田大八
主題歌:「陽はまた昇る」高橋優(ワーナーミュージック・ジャパン unBORDE)
企画製作:日本テレビ放送網制作プロダクション:日テレ アックスオン
製作:映画「桐島、部活やめるってよ」製作委員会
(c)2012「桐島」映画部 (c)朝井リョウ/集英社

[イントロダクション] 観客に想像の余白を残す ― 近年のヒットの法則に逆らう「語りたくなる」魅力が、まさにSNS時代の話題を増幅し、
まったく新しいヒットの形で驚異のロングラン。
映画興行の可能性を広げる驚異の口コミヒット作!
原作は早稲田大学在学中に第22回小説すばる新人賞を受賞した、朝井リョウのデビュー小説「桐島、部活やめるってよ」(集英社文庫刊)。
「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」で数々の映画賞を受賞し、人間のダークな部分を暴きだしながらも、愛しいまでにユーモアあるキャラクターを描く吉田大八監督が、
初めて10代の物語を描いた。キャストは、神木隆之介、橋本愛、大後寿々花ほか、100倍を越えるオーディション倍率を勝ち抜いたフレッシュな俳優陣が集結し、
輝きと刺激を放つジクソーパズルが完成した。
2012年8月11日より新宿バルト9はじめ全国132館で公開され、マスコミの前評判も極めて高かった本作だが、それ以上に映画を見た観客の口コミが
ツイッターを中心としたSNSで火がつき、週を追うごとにネット上での話題が増幅、公開劇場では7週目、8週目でも満席続出。
最近の映画界では珍しい息の長い右肩上がりの興行となり、12月現在もなお全国ロングラン中。これまでの映画界の常識から外れたこのヒットは、
新聞でも“『桐島、部活やめるってよ』の興行収入の推移は『常識外れ』"と報じられている。
また、国内賞レースの先陣をきる「第4回TAMA映画賞」で、見事に最優秀作品賞、最優秀新進男優賞(神木隆之介)、最優秀新進女優賞(橋本愛)の主要3冠を受賞。
第37回報知映画賞では、作品賞・監督賞・主演男優賞(神木)・新人賞(東出昌大)の4部門にノミネートされ、見事、監督賞を受賞。
今後も数々の映画賞が期待されている。

[ストーリー] ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後。
1つだけ昨日までと違ったのは、学校内の誰もが認める“スター"桐島の退部のニュースが校内を駆け巡ったこと。
彼女さえも連絡がとれずその理由を知らされぬまま、退部に大きな影響を受けるバレーボール部の部員たちはもちろんのこと、
桐島と同様に学校内ヒエラルキーの“上"に属する生徒たち、そして直接的には桐島と関係のない“下"に属する生徒まで、 あらゆる部活、クラスの人間関係が静かに変化していく。
校内の人間関係に緊張感が張りつめる中、桐島に一番遠い存在だった“下"に属する映画部前田が動きだし、物語は思わぬ方向へ展開していく。
(2012年8月11日 全国ロードショー)

【2012年日本国内映画賞受賞】
■第36回 日本アカデミー賞 六冠獲得! (3月8日受賞式)
☆優秀作品賞:桐島、部活やめるってよ
☆優秀監督賞:吉田大八
☆優秀脚本賞:喜安浩平・吉田大八
☆優秀編集賞:日下部元孝
☆新人俳優賞優秀賞:橋本愛
☆新人俳優賞優秀賞:東出昌大

■第86回キネマ旬報 ベスト・テン
日本映画ベスト・テン 第2位
新人女優賞:橋本愛

■第67回毎日映画コンクール 三冠獲得! (2月7日受賞式)
☆日本映画優秀賞:桐島、部活やめるってよ
☆最優秀監督賞:吉田大八
☆スポニチグランプリ新人賞:東出昌大

■第34回ヨコハマ映画祭 四冠獲得! (2月3日受賞式)
☆最優秀作品賞:桐島、部活やめるってよ
☆最優秀監督賞:吉田大八
☆最優秀撮影賞:近藤龍人
☆最優秀新人賞:橋本愛

■第37回報知映画賞
☆監督賞:吉田大八

■第4回TAMA映画賞 三冠獲得!
☆最優秀作品賞 『桐島、部活やめるってよ』
☆最優秀新進男優賞:神木隆之介
☆最優秀新進女優賞:橋本愛

■ATPテレビグランプリ
☆新人賞(枝見洋子【アックスオン】) 「桐島、部活やめるってよ」で受賞

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
吉田大八監督が朝井リョウの同名小説を映画化。ありふれた時間が流れる金曜日の放課後。誰もが認めるバレーボール部のスター・桐島退部のニュースが駆けめぐったことから、校内の人間関係が静かに変化していく。

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桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)
(2012/04/20)
朝井 リョウ

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神木隆之介、橋本愛 他

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[ 2013/03/17 10:35 ] DVD、BD、HD DVD | TB(0) | CM(0)
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