5日に『コクリコ坂から』を観て来ました。 Cinema Kingdom Blog

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映画、国内&海外ソフト、ホームシアター機器、旅行、写真、アニメ「あの花」を肴に綴る徒然雑記

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5日に『コクリコ坂から』を観て来ました。

相互していただいている「浪速で え~がな !!」のサスケさんが
(BD)耳をすませば」のレビューをあげていらっしゃいます。
そのコメント欄にも書かせていただいたのですが、
公開当時ですら時代錯誤だった「少年少女の一途でストイックな純愛」
という『耳をすませば』のテーマも、清濁併せ持つ肉体を伴わない
アニメキャラを通して描かれると、不思議な説得力を持ち、
僕はけっこう好きな作品だったりします。(苦笑)

『耳をすませば』の脚本・絵コンテ・プロデューサーは
宮崎駿ですが、その『耳をすませば』のテーマとよく似た構造の
ジブリ最新作『コクリコ坂から』の脚本も彼が担当しています。
『耳をすませば』と同じような理由で『コクリコ坂から』も
予想以上に面白く拝見しました。



映画「コクリコ坂から」公式サイト

これが二作目となる宮崎吾朗監督、今回はなかなか良かったです。
処女作の『ゲド戦記』は大ヒットこそしたものの、評判は劇場公開された
ジブリアニメの中でも最低で、僕も唖然とした(特にクライマックスの
作画の酷さに)ものですが、今作ではひどく気になる粗も感じず、
手堅い演出に好感を持ちました。

『耳をすませば』も原作は少女漫画でしたが、『コクリコ坂から』も
高橋千鶴と佐山哲郎による少女漫画が原作です。
宮崎さんが関わったジブリ作品で原作ありのものは
少女漫画か児童文学が元ネタのものばかりという印象です。

スタジオジブリは屋台骨である宮崎監督の高齢化が進む一方で
なかなか後継者が育たないまま、社員数と業務内容ばかりが
肥大化しています。
スタジオを存続させる為には、定期的に新作を公開すると共に
その度に高い興行収益を維持することが絶対条件のようで、
宮崎駿自身ですらインタビュー記事などを読みますと
「大衆受けすること」、「当たる作品を作ること」が絶対だと
思い込んでいる節があります。
現在の宮崎監督や鈴木プロデューサーにとっての最大のジレンマは、
新作の題材を自由に選べない、冒険が出来ない点だと思います。
自身が興味を惹かれる題材でも観客が来ないような内容では、
そのままでは作れないことから、骨格を人当たりの良い少女漫画や
児童文学から持って来て、本来描きたかった題材を翻訳で加える
という手法を取っている感じがします。

例えば、「コクリコ坂から」で云えば、舞台を原作の80年代から
東京オリンピック開催の前年である1963年に大きく変更しています。
60年代初頭の日本と云えば、困窮した終戦直後から朝鮮戦争の特需を経て、
国民生活がやっと安定し、消費社会を基盤とした高度経済成長に突き進んで
いった時代であるのと同時に、安保闘争の残り火がまだ燻っていた時期で、
世界を変えたいと願う若者たちによる学園紛争が一番盛んだった頃です。
その時代背景の縮図として、現在の若い観客が引かない程度の甘さに
按配しながら、カルチェラタンの取り壊しに絡む、賛成派と反対派の
学生同士の対立を描いていますが、この部分は原作にはない、
宮崎さん独自の翻訳部分のようです。(僕は原作は未読)

東映アニメーションにいた頃の高畑勲と宮崎駿は、
労働組合の組合長と副組合長として会社と闘っていたくらいで
当時の知識人の多くがそうだったように共産主義の理想を評価
していた、レッズな人々wの一員だったはずです。(苦笑)
団塊の世代で、当時、進学校の高校や大学に通っていたような
インテリ層の若者だった方々は、多かれ少なかれ、ああいった
学生集会での喧喧諤諤(けんけんがくがく)、丁々発止とした
デベート(討論)に、ノスタルジックな高揚感を感じるはずです。
また、カルチェラタンのバンカラな学生達の気風からも分かるように
海や空の通っている高校には、男子校だった旧制高等学校の空気が
まだ色濃く残っています。これはまだ男女共学の高校が目新しかった
この時代、横浜だけでなく全国的な傾向だったはずです。
土の道が当たり前に残っていた風景やオート三輪なども含め、
そんなこんなで、『コクリコ坂から』をご覧になって一番感激するのは、
50年前に青春時代を過ごしていた団塊の世代の方々かもしれませんw。

実写の映画やドラマでは再現が難しい時代背景もアニメなら可能です。
今はソフトやTV放送でその時代に作られた映画(「コクリコ坂から」なら
吉永小百合主演の日活青春映画や人気歌手が主演した青春歌謡映画)を
観ることも出来ますが、当時タブー視されていた事柄や風俗などは
当然描かれておりませんから、失われた時代を鮮明に描けるアニメの
魅力と可能性は、非常に大きいと思います。
(それを切実に感じさせられたのが、高畑勲監督の大傑作、
『火垂るの墓』でした)

また、主人公二人の出生の秘密の背景として
この時代設定の変更は、非常に説得力が増して
ストーリーの展開上プラスに作用したと思います。
劇中の台詞にもあるようにまさに安手の「メロドラマのよう」な
展開で、先が読めるのが難なのですが、戦後の動乱期なら
こんなこともあったろうなぁと思わせるものでしたので。

『ゲド戦記』に続いて主題歌と声優(今度は助演)も務めた
手嶌葵の歌を久々に聴きましたが、大人になったことでか
以前より声に深みが増した感じがして、惚れ惚れしましたw。

それとこれは余談ですが、
カルチェラタンの存亡の鍵を握る学園理事長の社長さんの言動、
風貌がどこかで見たような方だなぁと思って観ていたのですが、
あとでモデルが徳間書店の名物社長で、傘下にした大映の社長や
スタジオジブリの初代社長でもあった亡き徳間康快さんだったと知って、
「なるほど!」と思いました。
徳間康快さんが居なければ、「月刊アニメージュ」は創刊されず、
大映の平成ガメラ・シリーズや「Shall we ダンス?」も制作されず、
数々のスタジオジブリ作品も誕生していませんでした。
良いと思った企画には独断専行で積極的に支援をし、死後、
徳間書店の経営を圧迫する負債をもたらした張本人ではありますが(笑)、
80年代から90年代にかけての日本映画に多大な貢献をした
偉大なる製作者、文化人でもありました。

最後に、あえて点数を付けるとすれば、75点くらいでしょうか。
秀作として評価は出来るものの、一方で少女漫画が原作故の限界も感じ、
やはりジブリアニメの真骨頂は宮崎駿監督の原作による
オリジナルアニメだよなと改めて思いました。
難産だった「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」以降の作品には
どこか燃え尽き感が漂っている印象も受けますがw、次回作は
いよいよご自身の演出による超大作に取りかかる予定のようですので、
期待して待ちたいと思います。


それから、遅ればせながら借り物のBDでアリエッティを観ました。
アリエッティも宮崎さん好みの一途でストイックな少女でしたが
面白かったのはコビトの視点から見た人間の生活と音響効果のみ、
といった感じで、ストーリーは呆れるくらいスカスカでしたねw。
30年前の宮崎さんだったら、映画のクライマックスは、
引っ越しすることになったアリエッティ一家の決死の冒険譚に
なっていたような気がしますし、その方が絶対面白かったでしょう。
庭先の草木のジャングルだけでなく、昆虫、動物、爬虫類に両生類、
魚までが敵や脅威になる中での脱出劇なんですから。
それが、これは伏線なんだろうなと思う描写も見事に拾われず
終始、放置プレイで、ラストも淡々としたままで終わってしまい
肩透かしを食らった感じでした。
ただ、作画や美術、動画の見事さはさすがはジブリでしたが・・・。

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『コクリコ坂から』を観た翌日に、舞台となった横浜と
「三鷹の森 ジブリ美術館」を巡るバスツアーに参加して来ました。
酷暑の中、食事も取らずに3時間あまり、山下公園と山手地区、
中華街を歩き、その後のジブリ美術館の屋外風景を含めて
600枚近くの写真を撮って来ました。(苦笑)
まだ整理していないのですが、近いうちに記事にまとめたいと
思っております。どうぞ、よろしくw。


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[ 2011/08/09 20:35 ] 映画 | TB(0) | CM(6)
いつもたのしみに記事を読ませていただいています。

スレ違いで恐縮ですが・・・。

もうご存知かもしれませんが、WOWOWで「男はつらいよ」の全作品HV放送が12月より始まる由アナウンスされましたね。
過去に「男はつらいよ」関連の記事がよくあったのでご参考までに・・・。

残暑まだまだ厳しいですが、お体大切にお過ごし下さい。
[ 2011/08/10 11:02 ] [ 編集 ]
12月、来年1月の二ヶ月で「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」を含む全49作を放送するようですね。NHK BS2での全作480i放送と松竹のCS放送「衛星劇場」を除けば、地上波で単発のHV放送があっただけで、BSでのシリーズ全作のハイビジョン放送ははじめてになると思います。

寅さんファンはいますぐWOWOWに加入すべきでしょうw。右上のバナーから契約してもらえると僕に小遣いが入りますw。(笑)
それとこのシリーズの市販BDが発売されるのか現時点では不透明ですから、BDレコーダーも買ってハイビジョン版全49作を録り逃さないように万全を期しましょうw。

[ 2011/08/11 07:49 ] [ 編集 ]
お聞きしたいことがありまして
オズの魔法使ブルーレイには
今までのdvd特典映像が全部
入っていますか。
「フィールドオブドリームス」LDの
監督インタビューはdvdに
入っていますか。
よろしくお願いします。
[ 2011/08/12 00:07 ] [ 編集 ]
オズの魔法使のBDについては全て入っていると思います。
長時間過ぎてまだ全部見ていないので確かなことは云えませんが、
BDになってはじめて収録された素材もありますので、
どちらにせよ、買って損はないでしょう。

> 「フィールドオブドリームス」LDの監督インタビュー

確かにLDもDVDも持っておりますが、確かめるには
1,500枚以上もあるソフトの中からそれらを探しだして
LD用にTVの裏にまわって接続を繋ぎ直し、
それなりの時間をかけて検証しなければなりません。
はっきり云って、見ず知らずの方のためにやる作業ではないでしょう。(苦笑)
DVDには短いメイキング映像が収録されてたと記憶しますが、
その中に該当のLD版の監督インタビューが含まれていたかは覚えていません。
レンタルするか、買っても1,000円程度ですので、ご自分でご検証下さい。

因みに、米国では2009年にBDが発売されています。
その仕様は以下の通りです。

Deleted Scenes with Introductions by Phil Alden Robinson
From Father to Son: Passing Along the Pastime
Roundtable with Kevin Costner, Bret Saberhagen, George Brett and Johnny Bench
The Diamond in the Husks
Galena, IL Pinch Hits for Chisholm, MN
Field of Dreams: A Scrapbook
Bravo Special: From Page to Screen
Feature Commentary with Director Phil Alden Robinson and Director of Photography John Lindley

国内盤のBDが出るのを待つのも一案かと。
[ 2011/08/12 06:59 ] [ 編集 ]
ご返事ありがとうございます。
お手数をかけてすいませんでした。
どうもありがとうございました。
[ 2011/08/12 11:16 ] [ 編集 ]
先日は、カーズのブルーレイについての回答ありがとうございます。

僕も先日、地元の劇場で「コクリコ坂」を見に来ました。

前作のゲド戦機の失敗も、良い意味で経験となっていますね。

確かに、最近のジブリ作品は原作ベースばかりですね。

どんな優れた天才作家でも、年をとって才能が枯れる可能性はあるようですから、致し方ないのかもしれませんが。

次回の作品では、ストーリーもオリジナルのジブリ作品を期待したいです。

個人的には、「紅の豚」と「ハウルの動く城」、「もののけ姫」が一番 好きな作品ですね。

[ 2011/08/16 07:21 ] [ 編集 ]
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