20日に
森田芳光監督が亡くなったと知った時には
思わず声が出てしまったほど愕然としました。
10日に亡くなった脚本家の
市川森一氏
(僕らの世代にはTVドラマ「傷だらけの天使」が鮮烈な記憶
として残っています)の訃報よりも金正日の死去よりも
何倍も信じられない気持ちでした。
学生8mm映画で頭角を現わした、助監督で修行した経験のない
新世代の若い監督というイメージが強かった方でしたし、
ご病気のこともまったく存じあげませんでしたからね。

森田監督の作品については何度か取り上げておりますが、
正直、誉めた記憶はほとんどありません。(汗)
特に、リメイク版の「椿三十郎」については酷評しました。(苦笑)
ただ、夏目漱石の原作を松田優作、藤谷美和子主演で映画化した
「それから」(1985)には非常に感銘を受けた記憶があります。
世間的には「家族ゲーム」や「失楽園」が代表作なのでしょうが、
個人的にはこの「それから」や「39 刑法第三十九条」、「間宮兄弟」、
「武士の家計簿」などが特に印象に残っております。
安定感のあるヒットメーカーとして、
享年61歳というわりには多作だった印象がありますが
映画監督としてはこれからが円熟期を迎える時期だというのに
ご本人もさぞかしご無念であったことでしょう。
改めまして、
謹んで森田芳光監督のご冥福をお祈り致します。合掌・・・。